株式会社 一柳アソシエイツ

構想エネルギー21研究会

2015.05.21 更新

一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第94回勉強会を開催しました

2015年5月19日 当社社長一柳が代表幹事を務める構想エネルギー21研究会の第94回勉強会の講師に日本電気株式会社(NEC) 執行役員 江村克己氏をお招きして、『ICTが実現する安全で高効率なライフライン(エネルギーの観点から)』をテーマにお話しを頂きました。江村氏は、1982年NEC入社以来長く通信分野に従事されてきました。現在は、中央研究所、ビジネスイノベーション統括ユニット関係、知的財産本部などを担当されている執行役員です。

江村 克己 氏

江村 克己 氏


まず、安全・安心・高効率・公平な社会を実現するというNECが目指す社会価値創造のための7つのテーマについてPublicからPrivateの順に説明がありました。
① Sustainable Earth:地球との共生
② Safer Cities & Public Services:
 安全・安心な都市・行政基盤
③ Lifeline Infrastructure:安全・高効率なライフライン
④ Communication:豊かな社会を支える情報通信
⑤ Industry Eco-System:産業とICTの新結合
⑥ Work Style:枠を超えた多様な働き方
⑦ Quality of Life:個々人が躍動する豊かで公平な社会

これらのテーマについてエネルギー領域との関連で実現すべき
目標は以下の3つになります。
① 環境負荷のないエネルギー供給
② 安全で高効率なエネルギーライフライン
③ エコで快適なファシリティ

次に、NECの研究開発戦略の要点を説明され、トータルなオープンイノベーション方式で、NECのアセットが活用できるICT部門でソリューションを創っていくことであると指摘されました。
「ICT×エネルギー」が実現する具体的ソリューションとして、3つの事例が紹介されました。
① 蓄電システムを活用したスマートエネルギー管理
② 電力需要予測によるファシリティの最適管理
③ 安定供給に欠かせない発電プラントの異常予兆監視
これらについて、異業種企業との共同開発などの具体例に則した説明がありました。

エネルギー業界では、蓄電システムは15年、原発は40年存続する現実に対して、ムーアの法則に則して指数関数的に性能が向上していくICTを活用する場合は、ICTの進化を将来にわたって見通し対応する能力が必要という悩みもご披露されました。最後に、複雑化するエネルギーインフラの管理には、継続的に高度化するICTの活用が有効であり、持続可能なエネルギー社会の実現に向けて、より一層の貢献を果たしたいとの決意表明を頂きました。

会議風景

その後の質疑応答や終わりまで参加頂いたワインを飲みながらの懇親会では、今後多種多様な変革が見込まれるエネルギー業界に対して、「NECのチャレンジングな参画は高く評価し今後とも具体的成果を大いに期待したい」との声が多くありました。


【講師略歴】
江村氏プロフィール1980年 東京大学工学部電子工学科卒業
1982年 東京大学大学院修士課程修了
同年日本電気株式会社入社
1997年 C&Cメディア研究所 研究部長
2001年 第一光ネットワーク事業部 製品企画部長
2007年 知的資産統括本部長
2010年より執行役員
現在、中央研究所、ビジネスイノベーション統括ユニット関係、知的財産本部担当役員

1987-1988 米国Bellcore 客員研究員
工学博士