他人任せにせずに、一人一人が「公の精神」をもって積極的に
社会との関わりを持っていくことが必要、との認識のもとに、
2010年12月に発足した限定メンバーによる新しい形の
”コミュニティー”です。ここには、一柳の生き方に賛同した
主に大企業の経営者が各分野から参加されています。
2015.06.15 更新
「一志会」第28回の例会が開催されました。
一志会は、「公の精神」のもとに積極的に社会的責任を果たそうとの想いを共有する大企業経営幹部の「コミュニティー」ですが、6月9日に第28回例会を開催しました。
今回は、工学院大学孔子学院院長の西園寺一晃氏をゲストにお迎えいたしました。西園寺公望氏の曾孫である西園寺氏は、中国滞在中に文化大革命に遭遇し、第四世代といわれる胡錦濤氏や載乗国氏らとの親交を持たれております。1967年に北京大学経済学部を卒業され、1971年朝日新聞社に入社し、その後は、北京大学日本研究センター在外研究員、慶応大学非常勤講師などを歴任。2008年から工学院大学孔子学院学院長を務められております。一柳とは、時折、中国問題について意見交換しています。今回は西園寺氏が、「中国の光と影-経営者が心得ておくべき視点-」と題し、中国の政治の舞台裏から昨今の経済情勢等について、ここだけのお話しを頂きました。
西園寺氏はまず、江沢民、胡錦濤、習近平等の歴代の中国トップを巡る政権闘争について興味深いお話しをいただきました。そして習近平政権が早いスピードで権局基盤を固めつつあり、近年果敢に推進している、政治汚職の撲滅、環境汚染対策、中国の国際化について述べられました。
また、中国の経済政策を進める李克強氏の、内陸部の都市化政策について触れました。中国の高度経済成長時代に、国が製造業等の外資を招聘して、それにより農村部から沿岸地区に労働力が移動し人件費が高騰し、内陸部との格差が生じ、また環境破壊等も起こってきた。近年内需型の経済への変換が求められる中で、内陸と沿岸を高速道路等で結び、内陸農村部の都市化を推進しようとするものです。これは李克強氏がかねて日本で学んだ、田中角栄首相の「列島改造論」に影響されるものとの、持論を展開されました。
更に、中国では、米国との関係を意識した政策がとられており、ビジネスの海外進出や人民元の国際化や、国際金融機関の設置の動きについても、触れました。
そして最後にこれからの日本が中国に対する、5つの留意点を述べられました。
講演後、会員の方からの西園寺氏へ質問も行われ、活発に議論がなされました。
その後は、会員の事業紹介コーナーで、BEENOS㈱代表取締役副社長兼グループCFOの中村浩士氏から、「インターネットで世界の距離は縮まった~BEENOSの事業展開~」と題し、クロスボーダーでのインターネット取引等の様々なネットサービスを展開する同社サービスについて起業時からの変遷やトレンド等についてご紹介を頂きました。
続いて、会員の交流時間帯では、今回役員異動等に伴い会員交代となる、小椋・NTT西日本 代表取締役副社長、得井・ミライト・ホールディングス 取締役常務執行役員、菊地・電通パブリックリレーションズ
取締役常務執行役員からお別れのメッセージを頂きました。
続いて、会員からの近況報告として、満倉・全日本空輸 取締役執行役員、宮川・イトーヨーカ堂 執行役員、堆・宝印刷 代表取締役社長、神野・サーラコーポレーション 代表取締役社長、吉村・丸一鋼管 代表取締役社長
から、それぞれホットな報告をいただきました。
最後に、幹事の椎名氏・PWC代表取締役社長から、今後の一志会有志イベントの企画について、お話いただきました。
その後も、ゲストの西園寺氏を囲んでの交流が続き、大変にぎやかな雰囲気となりました。