株式会社 一柳アソシエイツ

一流塾

2015.01.25 更新

一流塾(7期)第8回講義が行われました

第8回 平成27年1月21日(水)
 第8回の一流塾は、講師に三枝 匡氏(㈱ミスミグループ本社取締役会議長)をお迎えしました。今回は定例の一流塾とは構成が異なり、講師は三枝氏お一人にご担当いただき、『明日を担う経営者人材の条件-日本企業の強さ再構築をめざして-』のテーマで講義が行われました。


三枝 匡 氏

三枝 匡 氏

 序盤は、プロの経営に求められる「フレームワークについて」講義いただき、経営能力を高めるためには経営のフレームワークを習得し活用することがいかに重要であるかをお話しいただきました。概念的な内容でありながらも、ご自身の経験や実例を交えながら具体的にご説明され、塾生からも「経営の考え方がわかりやすく吸収できた」「フレームワークを持ち帰って活用したい」あるいは「経営リテラシーに関する勉強不足を痛感した」といった真摯な理解や自省的な受け止めが示されました。
 「フレームワーク」のお話に続き、「『日本的経営』の歴史観」と題して、1960年代から1990年代の日米企業の凋落・復興の変遷とその背景や原因についてお話しいただきました。単なる過去の経済状況や環境の説明ではなく、プロの経営者としての卓越した視点からの分析をお示しいただき、また、
歴史から学ぶべき教訓と海外企業に大きな遅れを取っている日本企業の課題を強い危機感とともに語っていただきました。経営者として経営リテラシーを磨かなければ組織の存続は危ういことを強い口調で問いかけられた塾生からは、「過去の日本的経営から構築されたフレームワークが、逆輸入されていることにすら気づいていなかった」「経営リテラシーが不十分なまま組織を経営していることの怖さに気づかされた」など、厳しい現状認識・課題認識の声があがりました。
 講義の終盤では、「変革の死の谷に挑む」と題して、企業再生や組織変革のためにチャレンジすべき取り組みについてお話しいただきました。ここでは概念的内容を塾生が具体的に理解するようケース・スタディの形式で講義が行われ、経営のフレームワークの活用について塾生の理解は大いに深まりました。さらに、講義翌日からそれぞれの組織でフレームワークを活用できるように、重要なポイントをまとめられたワークシートもお示しいただきました。


 講義の最後には、一柳塾長がファシリテーターとなり、三枝氏と塾生とのディスカッションが行われました。塾生からは、フレームワークを自組織で具体的に活用する際の課題やその対策などについて、あるいは自社の人材の経営リテラシーを向上させる方策など、多数の質問や意見があがりました。三枝氏からは、ご自身のお考えをお示しになるだけではなく、質問や問題の本質を塾生自身が考えるよう促し、限られた時間にも関わらず丁寧に塾生に向き合われ、会場全体が熱を帯びたような活発なディスカッションが展開されました。
ディスカッション中の塾長と講師ディスカッション風景

 講義後には、塾生有志が塾長を囲んでの放談会が行われ、経営者としてさらに成長したいという塾生の思いやグローバルな経済環境に立ち向かう苦労、さらには日本が誇りを取り戻す将来の姿など、多様な話題で一同大いに盛り上がり、熱い議論と共に塾長と塾生の交流が深夜まで続きました。

なお今回塾生には、三枝氏からの下記の推薦図書を事前学習したうえで講義に参加していただきました。
・『「日本の経営」を創る』共著 日本経済新聞社(2008年11月)
・『増補改訂版 V字回復の経営』 日本経済新聞社(2013年6月)
・『最新マネジメントの教科書』 日経BP社(2014年4月)