株式会社 一柳アソシエイツ

一流塾

2015.10.18 更新

一流塾(8期)第6回講義が行われました

第6回 2015年10月14日(水)
 第6回の一流塾は、講師に三枝 匡氏(㈱ミスミグループ本社取締役会議長)をお迎えしました。講師は三枝氏お一人にご担当いただき、『明日を担う経営者人材の条件-日本企業の強さ再構築をめざして-』と題して講義が行われました。


講師 三枝 匡 氏

講師 三枝 匡 氏

 序盤では、経営者に求められる「フレームワーク」について講義いただき、経営能力を高めるためには経営のフレームワークを習得し活用することが、いかに重要であるかをお話しされました。概念的な内容でありながらも、三枝氏からは、プロ経営者としての経験を交えて具体的にご説明いただきました。塾生からは、「経営には論理が必要であることを具体的に理解でき、納得できた」、「フレームワークの経営への活用はこれまで考えておらず、勉強不足を真摯に反省した」といった意見があがりました。
 フレームワークのお話に続き、「『日本的経営』の歴史観」と題して、1960年代から1990年代の日米企業の凋落・復興の変遷とその背景や原因についてお話しいただきました。単なる過去の経済状況や環境の説明ではなく、プロの経営者としての卓越した視点からの分析をお示しいただき、また、歴史から学ぶべき教訓と海外企業に大きな遅れを取っている日本企業の課題を、強い危機感とともに語っていただきました。そのうえで、経営者としての経営リテラシーを磨かなければ、組織の存続は危ういことを強い口調で塾生に問いかけられました。塾生からは、「日本の会社の経営の強みが米国で研究され、フレームワークとして活用されていることにも、そのフレームワークが逆輸入されていることも全く知らなかった」、「自分自身の経営リテラシーが不十分なことを痛感した」など、強い自省や課題認識の声があがりました。
 講義の終盤では、「変革の死の谷に挑む」と題して、企業再生や組織変革のためにチャレンジすべき取り組みについてお話しいただきました。ここではフレームワークの具体的な活用についてケース・スタディ形式でご説明いただき、塾生の理解が大いに深まりました。最後には、「論理」に支えられた経営を行い、そのうえで「情」の部分を考えることの重要性を、激励とともに塾生にお伝えいただきました。


 講義の後には、一柳塾長がファシリテーターとなり、三枝氏と塾生との質疑応答が行われました。塾生からは、フレームワークを自組織で具体的に活用する際の課題やポイントなどについて、多数の質問や意見があがりました。三枝氏からは、ご自身のお考えをお示しになるだけではなく、問題の本質を問い直しながら塾生の理解を深めるよう促され、活発なディスカッションが展開されました。塾生からは、「本を読んだだけでは理解できていなかった部分がはっきりと理解できた」、「これまでは社員のマインドを重視してきたが、論理を先に考えることに取り組みたい」、「全体の痛みを個人の痛みに結び付けて解決に向かわせたい」といった声があがりました。
塾長と講師講義風景03
 その後の塾生有志が塾長を囲んで行った放談会では、内閣官房の幹部にご出席いただきました。日本の将来に関する大所高所からのお話に、塾生も熱心に聞き入り、また次々と質問が飛び出すなど、熱い議論で盛り上がり、塾長と塾生の交流が夜遅くまで続きました。

 
 なお今回塾生には、三枝氏からの下記の推薦図書を事前学習したうえで講義に参加していただきました。
『増補改訂版 V字回復の経営』 日本経済新聞出版社(2013年6月)
『「日本の経営」を創る』共著 日本経済新聞出版社(2008年11月)
『最新マネジメントの教科書』 日経BPムック(2014年4月)