株式会社　一柳アソシエイツ

　今回の特別講座は、岡野光夫氏(東京女子医科大学副学長・先端生命医科学研究所所長・日本再生医療学会理事長)を講師にお招きし「再生医療の現状と未来-産業化と世界戦略-」と題して講演頂きました。一柳は岡野氏とは「この日本の未来はどうしたらよくなるか」など一緒に勉強し議論する仲間です。

岡野光夫 氏

　岡野先生は、現代医療では目の前の患者への対応に追われ、医療を社会のためにどの様に使うかといった観点やコスト意識が形骸化している。新しいテクノロジーを医療にも結集し、それを事業化することによって、高齢化社会に立ち向かう必要があるが、日本では新しい技術は理解が得られ難く、最先端の技術を有していても十分な投資が行われていない。医療や新薬の技術開発は、成果を得るまでには長い時間と莫大な費用がかかるが、日本発の素晴らしい技術を開発・活用し、事業化するためには長期的な視点を持って取り組まねばならない、と短期的な投資効果にのみ着目しがちな昨今の風潮に対して警鐘を鳴らしました。

　そして､岡野先生が医学部､工学部といった既存の壁を取り払い､専門家を集結
させて最先端のハイブリッドな技術で世界と戦うための拠点として設立された「東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設」の活動内容や､自民党政府にも注目されている国の最先端研究開発支援プログラムである再生医療産業化に向けた取り組み(細胞シートによる組織・臓器の再生)をご紹介頂き､日本発・世界初のテクノロジーを創造して人類に貢献したい､という高い志をご披露頂きました。