株式会社 一柳アソシエイツ

特別講座

2014.05.15 更新

2014年5月9日 第72回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました。

 今回の特別講座は、軍事アナリスト 小川和久氏(国際変動研究所理事長・静岡県立大学特任教授)を講師にお招きし、「中国の戦争力と日本の安全保障」と題し、中国と日本の安全保障問題について鋭い切り口で講演頂きました。小川氏は一柳とは家がご近所の友人で、折に触れ新しいプロジェクトの勉強会などもやっている仲間です。


小川和久 氏

小川和久 氏

 小川氏は、冒頭日本は外交・安全保障・危機管理が苦手であると指摘し、昨年から取上げられている中国のレーダー照射事件や防空識別圏の設定について、日本、中国そしてアメリカの詳細な軍事情報や能力と共に、その真意について触れました。また中国の日本に対する狙いについて、歴史的背景と共に取り上げ、一連の軍事行動について、東シナ海での紛争拡大を狙ったものではないという中国の意図を、中国の軍事・政治高官の具体的発言と共に、鋭い分析を披露されました。
 一方で日本の海洋国家・海洋資源大国としての外交戦略が弱い点についても、尖閣諸島問題と共に述べられ、歴史ではなく国際法をベースに外交を進めることの大切さを、お話し頂きました。
 また、日米同盟の実情についてマスコミを含め国民全体が知識・理解の少ない点を指摘し、米国にとって日本が軍事的にも重要な拠点であることや、日本の軍事能力についても多面的な角度から解説を頂きました。

特別講座-01

 講演後には、中国の資源権益に関する見解、安全保障問題に関する話題、日中韓の関係性等、出席者から幅広い内容について活発な質疑が行われ大いに盛り上がりました。
 小川先生の勢いのある語り口に出席者は熱心に聞き入り、「日ごろのマスコミ情報だけは得られない軍事情報があることが分かった」といった声が寄せられました。

質問を聞く小川氏