株式会社 一柳アソシエイツ

特別講座

2015.01.19 更新

第76回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました。

 2015年1月13日 第76回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました。 
 今回の特別講座は、政策研究大学院大学教授の大田弘子氏をお招きし、「アベノミクスと経済のゆくえ」と題して、これまでの日本経済と世界経済の動向ならびに2015年の日本経済の課題等に関しご講演を頂きました。


大田 弘子 氏

大田 弘子 氏

 大田氏は、かつて安倍・福田両内閣で経済財政政策担当大臣を務められ、現在は第2次安倍内閣の「内閣府規制改革会議」の議長代理として、安倍政権の政策の一翼を担っておられます。また大手企業の社外取締役等も歴任され、メディアの場でも幅広くご活躍されています。(一柳が一緒にお酒を飲んだり、勉強したり、冗談を言い合ったりする仲間でもあります。)
 講演の序盤では、最近の個人消費や設備投資の状況を踏まえた国内の経済動向について触れられ、昨年の消費税増税の一方で個人消費は持ち直し傾向がみられ、設備投資はこれから底上げが見込まれること、更には円安や原油安は日本経済全体としてはプラスに働き今後の経済的効果が期待されることなどについてお話しいただきました。
 講演の中盤では、今年・来年の米国やユーロ圏の実質GDPが好調であり、ロシアを除くBRICsでは高い潜在的成長力が見込まれること、一方で米国の金利引き上げや中国経済の減速などの懸念もあることなど、世界経済の動向についてご紹介いただきました。
講義風景 こうした経済動向を踏まえ、2015年の日本経済の注目点として、賃金の着実な上昇、財政再建計画の策定、社会保障制度改革等の重要性と政策課題についてお話しいただきました。
 講演の終盤では、これからの成長戦略について触れられ、「多様な働き方」と「地域活性化」が重要なテーマであることをお示しいただきました。また、サービス産業の生産性向上の必要性を取り上げられ、政策としての取り組みと企業努力としての取り組みの視点から具体的なお話をご紹介いただきました。さらに、日本企業の強みである創意工夫や顧客満足の追求、きっちりと仕事を行うという特長を活かすことで、日本企業が新たな強みをつくり出せる可能性についてもご見解をお示しいただきました。
 経済動向に関する多岐にわたる内容にも関わらず、大田氏からは具体的で分かりやすいお話しをいただき、参加者の方々からも生産性向上や設備投資の動向、女性の人材活用策に関して活発な質疑が行われました。
 景気も回復基調にありアベノミクスへの期待も高まる中、年頭における日本経済についての大田氏の講演は大変関心が高く、約100名の方にご参加いただき大変好評でありました。