株式会社 一柳アソシエイツ

特別講座

2015.05.28 更新

第78回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました。

 2015年5月20日 第78回一柳アソシエイツ特別講座を開催しました。
 今回の特別講座は、齊藤ウィリアム浩幸氏(㈱インテカー 代表取締役、内閣府本府参与)をお招きし、
「グローバル化に取り組む日本企業の課題とは?」と題して、ご講演を頂きました。

一柳とゲスト


齊藤ウィリアム浩幸 氏

齊藤ウィリアム浩幸 氏

 齊藤氏は、米国生まれ日系2世の起業家で、アントレプレナー支援のコンサルタントです。同氏は米国で学生時代にIT分野で起業し、生体認証暗号システムの開発に成功したのち、2004年に会社をマイクロソフトに売却後、拠点を東京に移し㈱インテカーを設立されました。その後日本再生に必要なリーダーシップやチーム作りを訴え、スタートアップ企業の育成支援とともに、多くの企業のアドバイザーや役員、各国の政府機関への協力、大学講義、政策提言などを行っています。齋藤氏は、同氏がカリフォルニアでベンチャーをやっているときから一柳と出会い、あらゆる分野で勉強を一緒に続けている仲間で、一柳のテレビ番組にも出演いただきました。世界の幅広い人的ネットワークを持ち、かつ、大和魂をもつアメリカ的日本人である齊藤氏から、今回は多面的な視点でお話を頂きました。
 講演の冒頭、齊藤氏はご自身の生い立ちや一柳との出会い等、そして現在に至る半生をお話されました。そして、ダボス会議や海外講演、そして先日安倍首相の訪米に随行した話に触れながら、グローバルから見た日本についてお話を頂きました。
 序盤、齊藤氏は、少子高齢化が進む日本の教育について、本質的な課題を問いました。日本では、インプットの教育が中心となり、自ら考えアウトプットするという力を磨く機会が少ない。そこでは失敗を経験させることが大事であると、熱く主張されました。
 また女性や若者の活躍や、不成功体験から生み出されるイノベーション、変革を推進するアントレプレナーシップの重要性にも触れ、成功している多くの起業家にはパッション・ビジョン・コミニュケーションがあることを語られました。
 中盤では、かつての日本企業では、創造型・提案型等のリーダーシップが重視される「チーム」より、効率的なマネジメントが重視される「グループ」での作業が得意であった。そして自動車業や通信業等の技術進化を例に示され、プログラミング等のソフトウエア技術の昨今の革新により、産業も大きく進化したが、今後の日本ではそれらに対応するため、教育、及びチーム力や英語力が大切であるとお話を頂きました。
 終盤では、今後の注目される産業の紹介や、ムーアの法則やMachine Age2.0等を例に、産業の加速度的な進歩の将来像を示されました。そして、その様な環境下で、「日本企業は将来計画だけなく、失敗を恐れず挑戦することが必要である」と、熱いメッセージで講演を締めくくられました。

会議風景

 講義後は、昨今の教育状況や、齊藤氏も同行した安倍総理の訪米についても関しても質疑が行われました。IoTやインダストリー4.0等の関心が高まる中、齊藤氏の日本の将来の産業や課題に触れる講演は、大変関心が高く、好評でありました。